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藤田湘子の世界 pavo-9.png


俳句鑑賞
湘子の感銘句
  1. はじめに
  2. 初みくじ
  3. 一盞は
  4. 四萬十の
  5. 花に鳥
  6. わが不思議
  7. 蠅叩
  8. 父に金
  9. 血の中の
  10. 海藻を
  11. 生きてゆく
  12. 落葉して
  13. 人参は

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  by Ikuma Wadachi


第五句集『春祭』より
  父に金遣りたる祭過ぎにけり   藤田湘子
 胸にぐさりと突き刺さる俳句がある。掲句もその一つ。
 鷹昭和五十六年八月号初出。当時二十代の私は、五十代の湘子の向こうに見えた世界に佇ちすくんだ記憶がある。
 石田波郷は「俳句は珠玉の如き私小説」と言ったそうだが、掲句を原作にすればオムニバスドラマの脚本4、5本くらいはすぐ書けるだろう。登場人物を決め、時代設定、場所、配役、テーマ曲と絞っていけば、ストーリーは自ずと浮かんでくる。しかし、原作者の湘子先生は、俳句をドラマにするなどもっての他だと、どの脚本にもOKを出してはくれない。
 父に金なら、母には何を・・・と新刊の藤田湘子全句集を繙けば、「母には海の日の出贈らむ水仙花」があった。



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