心に響く言葉
詩の出処
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岡本弥太 詩集「瀧」より
by Ryuta
浮世小路 おろかな人たちの間に住んで おろかな朝夕の光が そらの日の光よりどれだけか強いものであることを知つた じぶんたちは たわけたことをあらそひながら あしたの天気のことを心配しあつたり おたがいの蟲だらけのこどもをほめあふもののなかにあつた こゝの暗い小路から 自分たちの屍がかつぎだされてゆくまで あの そらの光が安らかであることを信じない暗い人たちの朝夕を愛してゐる