高知エコ産業大賞は、その製品が、環境に配慮した製品であるか、
技術面や発想における新規性があるか、また、消費者のニーズに
応じた商品の工夫や販売活動を行っているか、そして、高知県の
活性化に向けた波及効果が見込まれるかという点に着目して審査
いたしました。
第10回 審査委員(敬称略)
高知大学 副学長 受田浩之
元高知工科大学 副学長 鈴木朝夫
高知県産業振興センター専務理事 勝賀瀬淳
高知県工業技術センター技術次長 本川高男
高知県工業会 副会長 嶋崎誠史
四国経済産業局資源エネルギー 部
環境・リサイクル課長 安藤 初
暮らしを見つめる会 江西由紀
審 査 結 果 ● 高知エコ産業大賞 ● スタンドドライブSD工法 有限会社 海昌 ● 優秀賞 ● ごみを『宝物』に!(活動) 株式会社 サンプラザ ● 技術賞 ● 新型PW(パーフェクトウォール) 株式会社BRC高知 ● 特別賞 & 松崎賞● なお、本年新設の「松崎賞」も合わせて受賞 竹封筒(活動) 高知県立高知農業高校 |
審 査 講 評 ● 高知エコ産業大賞 企業名:有限会社 海昌 受賞対象技術:スタンドドライブSD工法 斜面のアンカー工事は通常、大掛かりな足場を設置して、大型ドリルで工事を行う方法が主流である。 これに対して本SD工法は独自のワイヤリング機械の開発により、重機と足場を必要とせずにアンカー工事を行うことを可能とした実用性の高い技術である。環境保全に対する最も大きな強みは、斜面の樹木を伐採せずに、工事が可能であることで、近隣住宅が密集する現場においても大きな効果を発揮している。 実績も十分で、さらにその技術の普及にも力を入れているその努力に、審査員全員一致して、本大賞に相応しい提案であると判断した。 ● 優秀賞 企業名:株式会社 サンプラザ 受賞対象活動:ごみを『宝物』に! 以前は当たり前のように焼却処分されていたい野菜くずや売れ残り商品などのいわゆる「食品残渣」分別回収した上で、自社堆肥場にて完全発酵させて再利用するシステムを確立し、焼却処理「0」を実現した。 また古紙回収や缶・ペットボトルの店頭回収も推進するなど、持続可能で理想的な方法論を構築している。この取り組みは社内的には意識改革にもつながり、食品残渣の量を減らすことにつながっている。 今後、この取り組みを全店舗に展開することを具体的に計画しており、地域において優良モデルと位置付けられると判断した。 ● 技術賞 企業名:株式会社 BRC高知 受賞対象技術:新型PW(パーフェクトウォール) 鉄筋コンクリート壁の両断熱工法において、型枠を断熱材で施工することで、工程を短縮し、工期とコストを低減することを可能にした独自性の高い技術を考案している。 従来工法の木製型枠を使う必要がなく、さらに断熱効果の高い性能から、冷暖房器具の使用率を減らすことを実現した。施工実績もこれからさらに増えていくことが期待されることから、エコ産業大賞の「技術賞」に相応しい提案であると判断した。 ● 特別賞 & 松崎賞 団体:高知県立高知農業高校 受賞対象活動:竹封筒 林業の学習において、竹林環境の問題を解決する上でカギとなる、竹の有効利用法を高校生の視点から考案して、製品化まで仕上げた努力は高く評価できる。 特に封筒の作成において、竹からパルプを取り出す工程に薬品等を使わないよう工夫したこと、また紙の色を整えるために、牛乳パックを添加するよう改善を図ったこと、さらに2度使えるデザインの意匠性なども含め、他の教育機関に対してもモデルとなる意欲的な活動であると判断し、「特別賞」を授与することとした。 ※ 落選した提案について総評 今回の選考では上記授賞対象の4提案の外に、7課題の提案があった。どの提案も意欲的で、受賞課題と甲乙つけ難い内容のものも散見された。 しかしながら、落選した課題は、概して内容的に独自性が弱かったり、エコの視点で強みが訴求しきれていないものが多かった。さらに、取り組みとして継続性が十分でない点、また製品のスペックに関して客観的な裏付けに乏しいことなども受賞に至らない理由であった。 それぞれこのようなポイントを意識されて、是非ブラッシュアップした形で、再提案していただくことを期待したい。 |
問い合わせ連絡先 高知エコデザイン協議会事務局 担当:安岡 高知市布師田3992-2 ぢばさんセンター5F TEL & FAX 088-803-1073 |